うるマルシェの生産者さん12. 津堅にんじん農家「津堅島ファーム」 源古康博さん(沖縄・うるま市勝連)

//うるマルシェの生産者さん12. 津堅にんじん農家「津堅島ファーム」 源古康博さん(沖縄・うるま市勝連)

島の潮風に育まれたミネラル豊富な土壌で、津堅にんじんの栽培を始めて3年目です!

甘さの秘密は気軽にアドバイスをくれるおじぃやおばぁたち、先輩農家の愛情かな。

うるま市勝連にある平敷屋漁港から、船に揺られること10〜30分でたどりつく沖縄の小さな離島「津堅島」。この島出身の源古康博さんは、2019年から島の特産品である「津堅にんじん」の栽培を始めました。

うるま市の南端にある津堅島(つけんじま)は、総面積1.88平方キロ、人口360人ほどの島。うるま市内では唯一、船でしか渡ることができない有人島で、島の人たちの多くがモズク漁やニンジン栽培で生計を立てています。

津堅島はニンジン栽培の歴史が長く、別名「キャロットアイランド」という名で親しまれているほど。ニンジンはうるま市の拠点産地認定品目のひとつですが、この島で育ったニンジンは「津堅にんじん」と呼ばれ、そのおいしさに定評があります。島へ渡る「フェリーくがに」に描かれているニンジンのイラスト! なんだか微笑ましいですよね〜。

津堅にんじんの魅力はなんといっても、エグ味が少なく甘さがのっていること! 周囲を海に囲まれた平坦な島なので、ミネラルをたっぷり含んだ潮風が、栄養豊富な土壌を作っているのがその理由だといわれています。

例年2月〜4月ごろ、うるマルシェの店頭は津堅にんじんでオレンジ色に染まります。生のままニンジンスティックで食べても甘〜い!沖縄が誇る、ニンジンが主役の郷土料理「にんじんしりしり」なんかでいただくと、もうね、ほんとエンドレスでいけちゃいますよ。

今回、島に会いに行ったのは、2019年10月からニンジン作りを始めた源古康博(げんこやすひろ)さん。現在、津堅島では40人ほどのニンジン農家が年間約30トンの津堅にんじんを出荷していますが、35歳で農業を始めた源古さんは一番の若手なのだといいます。

「僕はもともと海が好きだし、農業は暑いし、きついしで、まさか自分がニンジンを作るとは思ってもいなかったけどね〜(笑)」と、この日、源古さんは収穫間近の畑でニンジンの成長具合をチェックしていました。

津堅島で生まれ育った源古さんは、高校から沖縄本島へ。スポーツ系の専門学校を卒業し、医療系のトレーナーとして働いていましたが、25歳で帰郷して観光客向けのマリンスポーツ事業を立ち上げたといいます。

「僕の父は、以前はニンジンの洗浄販売の仕事をしていましたが、その後、モズク養殖に転身。かれこれ20年以上、モズク漁師をしています。モズク養殖と比べ、ニンジン栽培はコストも手間もかかるので、実は津堅にんじんの栽培農家は減る一方なんですよ」

そんな状況で、なぜ源古さんがニンジン栽培を始めたのかが気になりますよね。 

「マリンスポーツは夏場に仕事が集中するので、9月ごろに植え付けし、冬場に収穫が始まるニンジンを栽培すれば、うちのスタッフを通年で雇用できると思ったのがきっかけです」

ちょうどその時期、国や県やうるま市が島の農業の活性化を目指して、土壌改良事業に着手したのだそうです。動物性堆肥の購入費や輸送費などを自治体が負担し、家畜がいない津堅島に、養分たっぷりの土壌をつくりあげました。

こうして源古さんのニンジン栽培が本格化したころ、今度は新型コロナウィルスの感染拡大という想定外のできごとが沖縄を襲います。高齢者人口が多く、医療体制も整っていない津堅島では、観光客の受け入れを断念せざるを得ませんでした。

農業だけでも事業が成り立つようにと、源古さんがニンジン栽培のために用意した土地は2,500坪。2021年の5月からはイモの栽培も始めるそうで、さらに2,500坪の畑を手に入れました。

さまざまなできごとが重なって誕生した「津堅島ファーム」ですが、当初、源古さんのニンジン栽培のノウハウはゼロに近かったといいます。

「先輩方であるおじぃやおばぁを畑でつかまえて、1からニンジンづくりを教わりましたよ。島の人は聞いたらなんでも答えてくれる。企業秘密みたいなのはないんですよ(笑)」。困りごとを相談すると、翌日、自分の機械を持ってきて、さっと作業を済ませ黙って帰っていくなんてこともあるそう。

「最近、『お前が農業を始めて、島の農業も盛り上がってきたんじゃないかぁ』と、うれしい一言をもらいました。僕独自で手探りで発見したことを、島のみんなと共有できるくらいになりたいと思いますね」と、源古さんは笑顔をみせます。

「津堅島は海がきれいだし、広大な畑地にも恵まれています。困っているひとに気軽に手を差し伸べてくれる温かい島んちゅもいます。最初は農業にあまりいいイメージを持っていませんでしたが、自分で育てたものが誰かの口に入って、それをおいしいと言ってもらえると感動しますね。島んちゅは新規就農の方もウェルカムですよ」

今後はマリンスポーツで島を訪れるひとのために、ニンジンを使った加工品を開発したり、収穫体験なども企画したいと、源古さんの夢は広がっているようです。

うるマルシェでは、津堅島のみなさんが作ったおいしいニンジンのほか、ソーダやドレッシングなどの加工品も販売しています。また、直売所内にて、お野菜たっぷり調味料も無添加のものを使用した手作り惣菜を提供している「ベジ デリ カフェ」のニンジン料理もアレンジ豊かでおすすめですよ〜。スタッフのおすすめは津堅にんじん豆乳ポタージュ。塩のみで味付けをしにんじん本来の美味しさを楽しめます。真空パックでの提供も行っているので、気軽にご家庭でも楽しめます

ぜひ、うるまの旬の味を、さまざまに味わってみてくださいね。

ということで、源古さん、ありがとうございました〜。 そのうち、島で旬の食材をその場で料理していただくイベントを実現させたいですね! また、島に遊びに行きまーす!

※この記事は2021年3月の取材にもとづいて作成されたものです。

2021-04-09T17:20:37+00:00