農薬不使用で実がぎっしり詰まった甘いパッションフルーツ作ってます!
農業は最初から最後まで自己責任。自分が継ぐとは思ってなかったけど楽しい(笑)
深紅に熟れた艶やかな実の中に、ゼリー状の果肉に包まれた種が詰まったパッションフルーツは、爽やかな香りと甘酸っぱさが情熱的な南国フルーツ。生産者の安田裕弥さんも同様に情熱的な方なのです!
梅雨明け直後の強烈な日差しが降り注ぎ、いよいよ沖縄の夏本番といった陽気の6月某日。やってきたのは、うるマルシェにパッションフルーツを届けてくれている安田裕弥(やすだゆうや)さん・美似(みに)さんの畑です。
読谷村儀間(よみたんそんぎま)に全6棟、約1500坪のハウスを持つ安田家は、夏場はパッションフルーツのほかにゴーヤーやスイカ、トウガンなどを出荷している農家さん。この日は、裕弥さんにずらりと並ぶハウスの1棟にあるパッションフルーツ畑を案内してもらいました。
安田家のパッションフルーツは例年、6月中旬〜7月いっぱいくらいまでが出荷の最盛期。ハウス内では落下防止のために袋がけされ、完熟を待つ果実が鈴なり!
完熟した安田家のパッションフルーツはご覧のとおり。大きな実の中に種がぎっしりと詰まっていて甘いんです! 独特の濃厚な香りも夏場の食欲を刺激! 世界広しといえども、種が主役のフルーツなんてなかなかお目にかかれませんよね。
「パッションフルーツは木に勢いがあって、虫がつきにくいので、土作りをしっかりして農薬は散布しません。一本の木からツル状の枝がものすごい勢いで伸びるんですよ。成木になってから2〜3年が、実が大きいし甘さものるので、うちでは毎年挿し木で新しい木を増やしています」と裕弥さん。
40mほど連なる棚に植えられている木は数えられるほどの本数なのに、成っている実は数えるのムリ〜なほどたくさん。一本の木が弱っても、元気な木に茎を繋げると養分を補い合うというから、パッションフルーツってほんと情熱的なまでの生命力の持ち主! いただく私たちも元気をもらえる気がしますよね。
もともとこのハウスではオジーがフルーツパパイヤを栽培していて、幼い頃から収穫を手伝っていたという裕弥さん。社会人になって、いったんは医療関係の仕事についたそうですが、オジーの高齢化で28才の時に跡を継いだといいます。
「自分が農業をするなんて思ってもいなかったけど、1から10まで自己責任でできる仕事ってあんまりないじゃないですか。やりがいがあって楽しそうだなと思って」と、パッションフルーツの受粉作業をしながら裕弥さんは目を輝かせます。
当初フルーツパパイヤ作りしか知らなかった裕弥さんは、10年以上トライアル&エラーを重ねながら、いろんな農作物づくりにチャレンジしたといいます。
「ここ数年はいろいろな生産者さんと積極的に交流してて、いい刺激になってます。40才を機に若々しくかっこいい農家を目指そうと、作業着をスポーツウェアに変えました。先日、生まれて初めて美容室に行って髪も染めてもらったんです(笑)」
「農家のイメージがアップして新規就農者が増えれば、農業はもっと盛り上がるはず。僕らの農業のあり方も変わってくると思うんです」と語る裕弥さんは、ステキでカッコよくて情熱的! 裕弥さんのパッションフルーツをうるマルシェでぜひ味わってみてくださいね。
ちなみに果肉をバニラアイスにトッピングするのが裕弥さんのお気に入り。ヨーグルトやお酒と合わせたり、ドレッシングなどにして香りごと楽しむのもおすすめですよ。
裕弥さん、ありがとうございました! そのうち、うるマルシェでイケてる農家さんのファッションショーをやりたいです(笑) また遊びに行きますね〜。
※この記事は2020年6月の取材にもとづいて作成されたものです。